出生後休業支援給付金とは?2025年以降の育休まわりの新しい確認ポイント
2025年4月に始まった出生後休業支援給付金について、13%上乗せ、14日要件、配偶者要件、出生時育児休業給付金との違い、人事・労務担当への質問を公式情報ベースで整理します。

出生後休業支援給付金は、2025年4月1日に始まった雇用保険の育児休業等給付です。出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給対象となる休業に対して、本人と配偶者の休業状況などの要件を満たす場合、休業開始時賃金日額に支給日数を掛けた額の13%が上乗せされます。厚生労働省資料では、既存給付67%と合わせて80%となり、一定の前提のもとで「手取り10割相当」と説明されていますが、賃金上限、休業中賃金、社会保険料免除、税・保険料の扱いで個別の見え方は変わります。(厚生労働省)
まず確認する相手は、あなたの勤務先人事・労務担当と、事業所所在地を管轄するハローワークです。出産手当金や出産育児一時金は健康保険の給付なので、健康保険者にも別途確認します。(厚生労働省)
出生後休業支援給付金は何の制度?
出生後休業支援給付金は、雇用保険の「育児休業等給付」に含まれる新しい給付です。厚生労働省は、育児休業等給付として出生時育児休業給付金、育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金などを案内しています。(厚生労働省)
大切なのは、出生後休業支援給付金は単独でもらう給付ではなく、出生時育児休業給付金または育児休業給付金に上乗せされる給付だという点です。(厚生労働省)
似ている制度との違い
| 名称 | ざっくり言うと | 主な確認先 | 出生後休業支援給付金との関係 |
|---|---|---|---|
| 産休・産前産後休業 | 出産前後に働く人が休む期間 | 勤務先・人事・労務担当 | 産後休業中の母については、出生後休業支援給付金の対象期間の見方に影響します |
| 育休・育児休業 | 子を養育するための休業 | 勤務先・人事・労務担当 | 雇用保険給付の対象となる育休か確認が必要 |
| 出産手当金 | 出産のため会社を休み給与を受けられない場合等に、健康保険から支給される給付 | 健康保険者 | ハローワークの出生後休業支援給付金とは別制度。協会けんぽでは42日前から56日後まで等の説明があります (協会けんぽ) |
| 出産育児一時金 | 出産費用に対する公的医療保険の給付。原則50万円 | 健康保険者・区市町村 | 別制度。病院・保険者・自治体に確認します (厚生労働省) |
| 出生時育児休業給付金 | 主に産後パパ育休に対応する雇用保険給付 | 勤務先・ハローワーク | 出生後休業支援給付金の上乗せ先になり得ます (厚生労働省) |
| 育児休業給付金 | 育児休業中の雇用保険給付 | 勤務先・ハローワーク | 出生後休業支援給付金の上乗せ先になり得ます (厚生労働省) |
| 出生後休業支援給付金 | 2025年4月開始の13%上乗せ給付 | 勤務先・ハローワーク | この記事の主題 |
| 育児時短就業給付金 | 2025年4月開始の、育児のため時短就業する場合の給付 | 勤務先・ハローワーク | 別制度。復職後の時短勤務を考える家庭は別途確認します (厚生労働省) |
対象になる可能性を確認する主なポイント
1. 本人が対象期間内に14日以上休業しているか
本人については、対象期間内に、出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給される休業を通算14日以上取得しているかが重要です。(厚生労働省)
対象期間の考え方は、誰が休むかで変わります。たとえば、産後休業をしない父などの場合は子の出生後8週間、産後休業をする母については産後休業後の育児休業について子の出生後16週間が目安になります。(厚生労働省)
2. 配偶者も14日以上休業しているか
共働き家庭では、配偶者側も対象期間内に14日以上の育児休業等を取得しているかを確認します。配偶者が雇用保険被保険者として休業する場合、配偶者側の出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給決定後に確認される扱いがあります。(厚生労働省)
夫婦それぞれ勤務先が異なる場合は、片方の会社だけでは判断できないことがあります。自分の人事・労務担当だけでなく、配偶者側の人事・労務担当にも確認しましょう。
3. 配偶者の育休を要件としないケースか
配偶者がいない、配偶者が就業していない、自営業・フリーランス等で雇用される労働者ではない、配偶者が産後休業中など、配偶者の育児休業を要件としないケースがあります。(厚生労働省)
ただし、該当するかどうかは家庭の状況と証明書類で確認されます。「配偶者が会社員ではないから自動的に対象」と決めず、人事・労務担当またはハローワークに確認してください。
4. 基本給付が支給されない場合は、上乗せも出ない
出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金への上乗せです。そのため、就業日数・就業時間・休業中賃金などの理由で基本給付が支給されない場合、出生後休業支援給付金も支給されません。(厚生労働省)
金額の考え方
出生後休業支援給付金の基本的な考え方は、次の形です。
| Item | 意味 |
|---|---|
| 休業開始時賃金日額 | 原則として休業開始前の賃金をもとに計算される日額 |
| 支給日数 | 対象となる休業日数。最大28日 |
| 給付率 | 13% |
| 計算イメージ | 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 13% |
厚生労働省資料では、既存の67%給付に13%を加えて80%とし、一定の前提のもとで「手取り10割相当」と説明されています。ここでいう前提には、育休中の社会保険料免除、雇用保険料、非課税の扱いなどが関係します。日本年金機構も、育児休業等期間中の社会保険料免除について、事業主からの申出により本人負担分・事業主負担分が免除され、年金上は保険料を納めたものとして扱われると案内しています。(厚生労働省)
ただし、これは「誰でも手取りが必ず10割になる」という意味ではありません。賃金日額の上限・下限、休業中の賃金支払い、会社の給与処理、社会保険料免除の該当状況で変わります。
2026年7月31日までの休業開始時賃金日額の上限・下限を使った場合、28日分の出生後休業支援給付金は上限58,640円、下限10,970円と示されています。2026年8月以降に記事を更新する場合は、必ず最新の厚生労働省資料を再確認してください。(厚生労働省)
申請は誰が、どこにする?
申請は原則として事業主が行います。ただし、本人が希望する場合は本人申請も可能とされています。提出先は、事業所所在地を管轄するハローワークです。(厚生労働省)
出生時育児休業給付金と出生後休業支援給付金は、原則として同じ申請書で同時に申請します。状況によっては、基本給付の申請後に出生後休業支援給付金を別途申請する場合もあります。(厚生労働省)
必要になりやすい書類
公式資料では、申請時に次のような書類が必要になる場合があると示されています。
| 書類の種類 | 例 |
|---|---|
| 賃金関係 | 賃金台帳 |
| 出勤・休業関係 | 出勤簿、タイムカード、育児休業申出書 |
| 出生・出産予定日関係 | 母子健康手帳、住民票記載事項証明書、医師の証明書等 |
| 配偶者要件関係 | 配偶者の育休取得や、配偶者要件不要ケースを確認する書類 |
(厚生労働省)
支給日はいつ?
個別の支給日は、この記事では断定できません。厚生労働省の問い合わせ案内でも、コールセンターは一般的な処理期間の目安には回答できる一方、個別の支給日は回答できないとされています。具体的な見込みは、勤務先人事・労務担当または管轄ハローワークに確認してください。(厚生労働省)
2025年以降の育休まわりで、あわせて確認したいこと
2025年4月からは、出生後休業支援給付金だけでなく、育児時短就業給付金も創設されています。育休後に時短勤務で復職する予定がある家庭は、別制度として確認しましょう。(厚生労働省)
また、保育所等に入れないことを理由に育児休業給付金の支給対象期間を延長する手続きについても、2025年4月から確認方法が変わっています。厚生労働省は、市区町村の入所保留通知書等に加え、保育所等の利用申込書の写しや延長事由認定申告書などを案内しています。(厚生労働省)
これは出生後休業支援給付金そのものではありませんが、復職・保育園・育休延長を考える家庭には重要な関連確認事項です。
人事・労務担当に聞く質問テンプレート
日本語で聞く
| Situation | 質問 template |
|---|---|
| 制度対象の確認 | 2025年4月以降に開始する私の育児休業について、出生後休業支援給付金の対象になる可能性があるか確認できますか? |
| 本人14日要件 | 私の休業予定は、対象期間内に通算14日以上として扱われますか? |
| 配偶者要件 | 配偶者の休業予定や雇用形態を踏まえると、配偶者要件はどのように確認されますか? |
| 同時申請 | 出生時育児休業給付金または育児休業給付金と、出生後休業支援給付金は同じ申請書で進めますか? |
| 書類 | 会社側で必要な書類、私が準備する書類、配偶者側で必要な書類を教えてください。 |
| 賃金・就業 | 休業中に給与・手当・賞与が出る場合、給付に影響しますか? |
| 期限 | 社内締切と、管轄ハローワークへの公式申請期限を教えてください。 |
| 支給見込み | 個別の支給日は断定できないと思いますが、会社としての申請予定日と、過去の一般的な流れを教えてください。 |
どの窓口に何を聞く?
| 窓口 | 聞くこと |
|---|---|
| 勤務先・人事・労務担当 | 産休・育休の社内手続き、雇用保険給付の申請、休業日数、賃金、必要書類、社内締切 |
| ハローワーク | 雇用保険の育児休業等給付、提出先、申請書類、支給決定に関する確認 |
| 健康保険者 | 出産手当金、出産育児一時金、健康保険の書類 |
| 病院・クリニック | 出産予定日・出生日の証明、母子健康手帳、出産育児一時金の直接支払制度 |
| 区市町村 | 出生届、児童手当、子ども医療費助成、保育園、自治体独自支援 |
| 日本年金機構・人事・労務担当 | 育休中・産休中の社会保険料免除の事業主手続き |
公式な判断や手続きは、勤務先人事・労務担当、管轄ハローワーク、健康保険者、自治体、病院・クリニックに確認してください。
次にすること
- 自分と配偶者の育休予定日をカレンダーに入れる。
- 出産予定日と実際の出生日を確認する。
- 自分が出生時育児休業給付金または育児休業給付金の対象になりそうか人事・労務担当に聞く。
- 配偶者の休業日数・雇用形態・勤務先の申請状況を確認する。
- 会社の社内締切とハローワークへの公式申請期限を確認する。
- 出産手当金・出産育児一時金は健康保険者に別途確認する。




