妊娠・出産でもらえるお金一覧:東京で確認したい支援と窓口
妊娠・出産でもらえるお金は、区役所、勤務先、健康保険、ハローワーク、病院、東京都に分かれます。公式情報をもとに、代表的な支援と確認先を一覧で整理します。

妊娠・出産でもらえるお金や補助は、1つの窓口だけでは完結しません。代表的には、出産育児一時金、妊婦健診受診票、妊婦のための支援給付、出産手当金、育児休業給付金、児童手当、東京都018サポート、赤ちゃんファーストなどがあります。ただし、対象・金額・申請期限・支給時期は、住んでいる区市町村、勤務先、健康保険、雇用保険、出産日によって変わります。この記事では、東京で妊娠・出産を予定している家族向けに、「どこからお金が出るのか」「どの窓口に何を確認するのか」を整理します。(厚生労働省)
まず一覧:妊娠・出産で確認したいお金マップ
| 支援・制度 | 誰が関係するか | 目安額・計算の考え方 | 主な確認先 | いつ確認するか | 必要な事実 |
|---|---|---|---|---|---|
| 妊婦健診受診票 | 区市町村、東京都、病院・クリニック | 東京都では妊婦健康診査の公費負担は14回。超音波検査等は自治体差あり | 住んでいる区市町村、病院 | 妊娠届を出すとき | 住民票の自治体、妊娠週数、受診先 |
| 妊婦のための支援給付 | 区市町村・特別区 | 認定後5万円、胎児数の届出後に胎児数×5万円の可能性 | 住んでいる区市町村 | 妊娠届・面談・自治体案内時 | 住所、妊娠状況、胎児数、自治体手続き |
| 出産育児一時金 | 公的医療保険、病院・助産所 | 原則、子ども1人につき50万円 | 健康保険者、病院 | 妊娠中に直接支払制度を確認 | 公的医療保険、出産施設、直接支払制度利用可否 |
| 出産手当金 | 健康保険、勤務先 | 支給開始前12か月の標準報酬月額平均 ÷ 30 × 2/3 が日額の基準 | 健康保険者、人事・労務担当 | 産休前 | 被保険者本人か、給与、産休予定、給与支払有無 |
| 育児休業給付金 | 雇用保険、勤務先、ハローワーク | 最初の180日は休業開始時賃金日額の67%、181日目以降は50%が目安 | 人事・労務担当、管轄ハローワーク | 育休申出前〜初回申請前 | 雇用保険、育休期間、賃金、勤務先手続き |
| 産後パパ育休関連 | 勤務先、雇用保険、ハローワーク | 出生後8週間以内に最大4週間の休業制度。給付は要件確認 | 人事・労務担当、ハローワーク | 出産前 | 配偶者の勤務状況、休業予定、雇用保険 |
| 児童手当 | 区市町村、勤務先、公務員の場合は勤務先 | 3歳未満は月15,000円、3歳〜高校生年代は月10,000円、第3子以降は月30,000円が基本 | 住んでいる区市町村、公務員は勤務先 | 出生後15日以内を目安 | 子どもの住所、出生届、養育者、公務員か |
| 東京都018サポート | 東京都 | 東京都内の0〜18歳の子どもに月5,000円 | 東京都018サポート公式窓口 | 出生後・転入後、年度の申請期限前 | 子どもの住所、出生年月日、申請状況 |
| 赤ちゃんファースト・赤ちゃんファースト | 東京都、区市町村 | 2026年1月1日〜2027年3月31日出生等で赤ちゃんファースト 3万円相当の可能性 | 東京都、区市町村 | 出生後、018同時申請や自治体案内時 | 出生日、出生時住所、申請状況 |
| 社会保険料免除 | 勤務先、日本年金機構、健康保険 | 産休・育休中の健康保険・厚生年金保険料が免除される場合あり | 人事・労務担当、年金事務所、保険者 | 産休・育休前 | 社会保険加入、休業期間、勤務先手続き |
| 国民年金第1号の産前産後免除 | 区市町村、日本年金機構 | 出産予定日または出産日の前月から4か月分、多胎は3か月前から6か月分 | 区市町村の国民年金窓口 | 出産予定日の6か月前以降、または出産後 | 国民年金種別、出産予定日・出生日 |
| 医療費控除 | 国税庁、税務署 | 一定の医療費から補てん金等を差し引いて計算 | 税務署、国税庁 | 確定申告前 | 領収書、医療費、出産育児一時金等 |
| 高額療養費 | 健康保険者 | 保険診療の自己負担が所得区分ごとの限度額を超えた場合に確認 | 健康保険者、病院 | 医療費が高額になりそうなとき | 保険診療の有無、所得区分、保険者 |
「支払元」「問い合わせ先」「ルールの持ち主」は同じとは限りません
妊娠・出産のお金で混乱しやすいのは、お金の出どころと、最初に聞く窓口と、制度ルールを持つ機関が違うことです。

たとえば、出産育児一時金は公的医療保険から支給されますが、直接支払制度を使う場合は病院との手続き確認も必要です。(厚生労働省) 児童手当は全国制度ですが、出生後の申請先は住んでいる区市町村で、公務員の場合は勤務先です。(こども家庭庁) 育児休業給付金は雇用保険の給付で、申請先は事業所を管轄するハローワークですが、通常は勤務先人事・労務担当を通じて確認します。(厚生労働省)
妊娠が分かったら:まず区市町村で確認すること
東京都の案内では、妊娠が分かったらできるだけ早く住んでいる区市町村に妊娠届を出し、母子健康手帳と妊婦健康診査受診票などを受け取ります。東京都では妊婦健康診査の公費負担は14回と案内されていますが、超音波検査の助成回数などは自治体によって異なるため、住んでいる区市町村に確認します。(東京都福祉局)
妊婦健診の受診票は、東京都内の契約医療機関などで使えるのが基本ですが、里帰り出産などで都外の医療機関を受診する場合は、一部助成を受けられることがあります。使い方や申請方法は自治体により異なるため、妊娠届のときに確認しておくと安心です。(東京都福祉局)
妊婦のための支援給付
妊婦のための支援給付は、市町村・特別区が実施主体となる支援です。公式資料では、妊婦給付認定後に5万円、胎児の数の届出後に胎児数×5万円を受けられる仕組みが示されています。(こども家庭庁) 東京都のページでも、妊婦のための支援給付については、認定後5万円、胎児数の届出後に胎児数×5万円と案内し、詳細は住んでいる市区町村に問い合わせるよう示しています。(東京都福祉局)
確認すること:
- 自分の区での申請方法
- 面談やアンケートの有無
- 支給方法が現金かギフト等か
- 申請期限
- 多胎妊娠の場合の扱い
出産費用を考える:病院・直接支払制度・出産なび
出産費用は病院・地域・分娩方法・個室利用などで変わります。厚生労働省の「出産なび」は、全国の分娩施設の出産費用やサービスを確認できる公式ツールで、英語などにも対応しています。(出産なび‐厚生労働省)
出産前に病院へ聞きたいこと:
- 分娩費用の概算
- 予約金・前払金の有無
- 出産育児一時金の直接支払制度に対応しているか
- 一時金を差し引いた自己負担見込み
- 帝王切開や入院延長など、保険診療が関係する場合の説明
- 妊婦健診受診票を使えるか
出産育児一時金:原則50万円。ただし病院と保険者に確認
出産育児一時金は、公的医療保険に加入している人が妊娠4か月以上で出産した場合、原則として子ども1人につき50万円が支給される制度です。(厚生労働省)
多くの家族に関係するのが、直接支払制度です。直接支払制度では、保険者が病院・助産所などへ一時金を直接支払い、利用者は出産費用から一時金を差し引いた差額を支払います。出産費用が一時金より少ない場合は、差額を受け取れることがあります。(厚生労働省)
申請期限は、出産日の翌日から2年以内です。(厚生労働省) ただし、直接支払制度を使うか、あとから請求するか、差額があるかで手続きが変わるため、妊娠中に病院と健康保険者の両方へ確認しましょう。
会社員・健康保険加入者が確認する出産手当金
出産手当金は、健康保険の被保険者本人が出産のため会社を休み、給与が支払われない日などに対象となる可能性がある制度です。対象期間は、出産日以前42日、多胎妊娠は98日、出産日の翌日以後56日の範囲です。(協会けんぽ)
協会けんぽの説明では、1日あたりの支給額は、支給開始前12か月の標準報酬月額平均を30で割り、その3分の2を基準に計算します。(協会けんぽ) ただし、健康保険組合に加入している場合は、加入している保険者のルール・書式・支給時期を確認してください。
人事・労務担当に聞くこと:
- 産休の開始予定日
- 出産手当金の申請書を会社経由で出すか
- 産休中に給与が一部支払われるか
- 医師・助産師の証明欄が必要か
- いつ申請し、いつ頃処理される見込みか
産休・育休と社会保険料免除
産前休業は出産予定日の6週間前、多胎妊娠は14週間前から請求でき、産後8週間は原則として就業できません。(母性健康管理・育児支援ポータル)
産前産後休業中は、勤務先が手続きすることで健康保険・厚生年金保険料が免除される場合があります。日本年金機構は、産前産後休業期間中の健康保険・厚生年金保険料について、事業主から申出があった場合に被保険者・事業主双方が免除され、将来の年金額では保険料を納めた期間として扱われると説明しています。(日本年金機構)
育児休業中も、勤務先が手続きすることで社会保険料免除を確認できます。(日本年金機構) 免除は自動ではなく、勤務先の手続きが関係するため、人事・労務担当に確認しましょう。
育児休業給付金:勤務先とハローワークに確認
育児休業は、原則として1歳未満の子を育てる労働者が取得できる休業制度です。会社の就業規則に育児休業の規定がなくても、法律上の要件を満たせば申出できると厚生労働省は説明しています。(厚生労働省)
育児休業給付金は、雇用保険の要件を満たす場合に確認する給付です。厚生労働省の説明では、育児休業給付金は休業開始時賃金日額を基準に、最初の180日が67%、181日目以降が50%を目安に支給されます。(厚生労働省)
育児休業等給付の申請先は、事業所を管轄するハローワークです。(厚生労働省) ただし、実務上は勤務先が必要書類や賃金情報を扱うことが多いため、まず人事・労務担当に確認するのが現実的です。
確認すること:
- 雇用保険に加入しているか
- 育休開始日・終了予定日
- 初回申請の時期
- 勤務先がハローワークへ提出するか
- 夫婦で育休を取る場合の給付・休業予定
- 保育園に入れない場合の延長手続き
出生後すぐ:児童手当は15日以内を意識
児童手当は、0歳から18歳到達後最初の3月31日までの子どもを養育している人が対象となる制度です。金額は、3歳未満が月15,000円、3歳から高校生年代までが月10,000円、第3子以降が月30,000円を基本とします。(こども家庭庁)
申請先は、住んでいる区市町村です。ただし、公務員の場合は勤務先に申請します。(こども家庭庁)
特に重要なのが出生後の15日ルールです。出生や転入が月末に近い場合でも、出生・転入の翌日から15日以内に申請すれば、申請月分から対象となる可能性があります。申請が遅れると、遅れた月分を受け取れない場合があります。(こども家庭庁)
出生後に区役所へ聞くこと:
- 出生届と児童手当の手続き場所
- 15日以内に必要なもの
- 公務員の場合の勤務先手続き
- 児童手当以外に同時に確認すべき区の支援
- 子ども医療費助成など、この記事では詳細に扱っていない支援
東京都018サポート:児童手当とは別に確認
東京都018サポートは、東京都内に住所がある0〜18歳の子どもに対し、月5,000円を支給する東京都の制度です。2026年度の公式ページでは、所得制限なしと案内されています。(018サポート)
2026年度は、支払予定時期に応じて申請期限が設定されています。公式ページでは、2026年8月支払分の申請期限が2026年7月1日、2026年12月支払分が2026年11月1日、2027年4月支払分が2027年3月1日と示されています。不備がある場合は支払いが遅れることがあります。(018サポート)
018サポートは東京都の制度で、児童手当は国の制度を区市町村が扱う制度です。両方に関係する可能性があるため、出生後は別々に確認しましょう。
赤ちゃんファースト・赤ちゃんファーストも確認
東京都は、出産・子育て応援事業として赤ちゃんファースト関連の支援を案内しています。2026年1月1日から2027年3月31日までに生まれ、出生時に東京都内に住所がある子どもについては、赤ちゃんファーストとして3万円相当の支援を確認できます。(東京都福祉局)
東京都ページでは、赤ちゃんファーストは018サポートと同時申請が可能で、その場合に追加申請は不要と説明されています。ギフトカードは、申請から概ね4か月後に発送と案内されていますが、審査や不備によって変わる可能性があります。(東京都福祉局)
一方、育児パッケージや妊婦のための支援給付など、市区町村が関係する支援については、住んでいる自治体へ問い合わせるよう案内されています。(東京都福祉局)
自営業・フリーランスの場合に確認すること
会社員向けの出産手当金や育児休業給付金は、健康保険の被保険者本人か、雇用保険の要件を満たすかが関係します。自営業・フリーランス・国民健康保険の人は、会社員と同じ給付がそのまま当てはまらない場合があります。
ただし、出産育児一時金、妊婦健診受診票、妊婦のための支援給付、児童手当、018サポート、国民年金第1号被保険者の産前産後免除などは確認対象になり得ます。国民年金第1号被保険者について、日本年金機構は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月分、多胎妊娠では3か月前から6か月分の保険料免除を案内しています。届出先は区市町村の国民年金窓口です。(日本年金機構)
医療費控除・高額療養費は「関連して確認する制度」
妊娠・出産に関する一定の健診費用、通院交通費、入院費などは、医療費控除の対象になる場合があります。国税庁は、妊娠と診断されてからの定期健診・検査費用、通院費用、入院中の食事代などの扱いを説明しています。出産育児一時金などは、医療費から差し引いて計算します。(National Tax Agency)
また、帝王切開や妊娠・出産に関連する医療処置などで保険診療の医療費が高額になる場合は、高額療養費制度を確認することがあります。厚生労働省は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が月の自己負担限度額を超えた場合、超えた額が支給される制度として説明しています。(厚生労働省)
これらは税務・医療保険の個別判断が関係します。税務署、保険者、病院に確認してください。
当てはまらない場合
次のような場合は、この記事の一覧にある制度がそのまま当てはまらないことがあります。
- 健康保険の被保険者本人ではなく、扶養家族として加入している場合
- 雇用保険に加入していない場合
- 退職・転職・契約終了が出産前後にある場合
- 公務員で、児童手当などの窓口が勤務先になる場合
- 出産前後に東京都外へ転出・転入する場合
- 里帰り出産で都外の病院を使う場合
- 多胎妊娠の場合
- 子どもが施設等に入所している場合
- 住民票、世帯、養育者、在留資格などで個別確認が必要な場合
- 税務・医療保険・年金の個別判断が必要な場合
家計タイムライン:いつ費用が出て、いつ支援が入る可能性があるか
| 時期 | 起こりやすい費用・手続き | 確認する支援 |
|---|---|---|
| 妊娠判明後 | 妊婦健診、妊娠届、病院選び | 母子健康手帳、妊婦健診受診票、妊婦のための支援給付 |
| 妊娠中期〜後期 | 分娩予約金、検査費用、産休準備 | 出産なび、病院費用見積、出産手当金、産休中社会保険料免除 |
| 出産時 | 分娩費用、入院費、追加費用 | 出産育児一時金、直接支払制度、高額療養費の確認 |
| 出生後すぐ | 出生届、児童手当、東京都・区の支援 | 児童手当15日以内、018サポート、赤ちゃんファースト |
| 産後〜育休中 | 収入減、育休給付の初回申請、保険料免除 | 育児休業給付金、育休中社会保険料免除 |
| 翌年の確定申告期 | 医療費の整理 | 医療費控除の確認 |
注意: 支援が「対象になる可能性がある」ことと、「いつ入金されるか」は別です。支給時期は、申請時期、不備、勤務先・保険者・ハローワーク・自治体の処理によって変わります。
次の行動チェックリスト
区役所・市役所に聞くこと
- 妊娠届はどこで出すか
- 母子健康手帳と妊婦健診受診票はいつ受け取れるか
- 妊婦のための支援給付の申請方法
- 出生後15日以内に必要な児童手当手続き
- 子ども医療費助成、出産・子育て応援事業、自治体独自支援
- 外国語対応や通訳サポートがあるか
人事・労務担当に聞くこと
- 産休・育休の申出期限
- 出産手当金の申請に会社が関与するか
- 育児休業給付金の初回申請予定
- 社会保険料免除の手続き
- 配偶者の育休や産後パパ育休に関する社内手続き
- 必要書類の締切
健康保険に聞くこと
- 出産育児一時金の手続き
- 直接支払制度を使う場合の流れ
- 出産手当金の対象になり得るか
- 高額療養費・限度額適用認定に関係するか
- 退職・転職がある場合の扱い
病院・クリニックに聞くこと
- 出産費用の概算
- 予約金・前払金
- 直接支払制度の対応
- 妊婦健診受診票の利用可否
- 帝王切開や入院延長など、保険診療が関係する場合の説明
- 出産なび掲載情報との違い
- 最終的な受給可否の決定
- 支給の保証
- 法律・税務・医療・在留資格などの専門的助言
公式な判断は、区役所、勤務先人事・労務担当、健康保険者、ハローワーク、病院、東京都、税務署などの公式窓口で確認してください。




